約 3,431,471 件
https://w.atwiki.jp/yayoi841/pages/74.html
希少音源+V.A.(発表年順) Atari Shock - (1996.02, 自主制作カセットテープ) TRAMPOLINE GIRL YOUNG おおキャンディ SPACE GIRL 〜加速装置〜 omoide in my head - (1996.06, 自主制作カセットテープ) センチメンタル過剰 California '73 omoide in my head V.A. Headache Sounds Sampler CD vol.1 - (1997.04) GIRLFRIEND GIRLFRIEND GIRLFRIEND GIRL IN MY BLOOD V.A. SUPERNOVA vol.1 UNI - (1999.01) SAMURAI ウェイ?(喂?) INSTANT RADICAL - (1999.12, タワーレコード抽選景品、7inchアナログ) INSTANT RADICAL 私は海を抱きしめていたい PIXIE DÜ - (1999.12, タハラ抽選景品、7inchアナログ) PIXIE DÜ SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE (4track acoustic) (2000.05, 「URBAN GUITAR SAYONARA」タワーレコード購入特典) SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE (4track acoustic) V.A. 極東最前線 - (2000.07) TOKYO FREEZE V.A. けものがれ、俺らの猿と - (2001.05, 「けものがれ、俺らの猿と」サウンドトラック) ZAZENBEATS KEMONOSTYLE
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/30736.html
登録日:2014/12/15 (月) 13 31 00 更新日:2024/01/04 Thu 21 36 37 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 DS KONAMI PS2 ときめきメモリアル ときめきメモリアル Girl's Side ときメモ ときメモGS ゲーム コナミ ニンテンドーDS ラブプラス 人魚姫 灯台 『ときめきメモリアル Girl s Side 2nd Kiss』とは、コナミから発売されている女性向け恋愛シミュレーションゲームである。男にも人気。 隠しキャラやイベントスチル、『親友モード』などの追加されたDSへの移植版『ときめきメモリアル Girl s Side 2nd Season』が存在する。 略称は『ときメモGS2』。 舞台は前作『ときめきメモリアル Girl s Side』と同じはばたき市。 主人公は羽ヶ崎学園に通う少女で学校生活を通じて恋愛・部活動・勉強・アルバイトなどをこなしていく。 最終的に意中の男性キャラクター、通称『王子』から告白されるのがプレイヤーの目的。 今作の伝説は海辺の灯台にまつわる人魚姫の伝説。主人公は幼少期にそこでちょっとした思い出を持っている。 この作品のタイトルにある『セカンドキスシステム』が特徴。 ゲーム開始時の質問により王子とラッキーキッスができるのだ!通称『事故チュー』。 攻略ストーリーの大筋は変わらないがイベントや会話内容が変わったり普段見せない王子の一面を見たりすることができる。 前作と同じく女性向けらしい特徴が多く、『リッチ』の概念や買い物に行き服を買うなどができる。 相変わらず女子高生らしからぬ年齢(上にも下にも)な服やそのまま忍者になったり、 ヴァンパイアハンターになったりできる服も売っている。コスプレ衣装でデートに行ったときの反応は見物。 あと王子共だけにはファッションセンスを馬鹿にされたくない。 『ときめきメモリアル』で早乙女好雄を演じたうえだゆうじと、 『ときめきメモリアル2』で穂刈純一郎を演じた野島健児が王子役として出演している。ファン歓喜。ネタに事欠かない。 ちなみにある意味『ラブプラス』の前身となった作品でもある。皆口さんボイスは国宝なのです。 登場キャラクター 主人公 ときメモらしく無味無臭なキャラ。通称デイジー。 王子 攻略キャラの皆さん。本家と比べると割とおとなしいキャラが多い。前作と比べても割と普通。 佐伯瑛(さえき てる) CV:森田成一 メイン王子。前作の葉月珪ポジション。成績もよくスポーツもできる。 小麦色の肌がまぶしいイケメンで女子からの人気も高いが普段は猫をかぶっており本当の性格はつっけんどんでいやみな奴。 祖父の喫茶店をアルバイトとして手伝っている。丘サーファーとか言うな。 ツンデレ。かわいい。俺男なのに。 志波勝己(しば かつみ) CV:中井和哉 今作の運動キャラ担当。タフな外見とは裏腹に無口で少し抜けたところもある。昼寝が好き。 なぜか動物に好かれる。部活もアルバイトもやっていないが、主人公しだいで野球部に参加する。 氷上格(ひかみ いたる) CV:鈴木千尋 今作の学力キャラ担当。前作の氷室先生の従弟。 氷室先生からドS成分を抜いてやわらかさを足して頭の固さを3倍にした感じのキャラ。 見たまんまの委員長キャラ。そこそこ冗談も通じるかわいいやつ。生徒会所属。通称『メッティ』。 針谷幸之進(はりや こうのしん) CV:鈴村健一 今作の流行キャラ担当。名前にコンプレックスがありハリーと呼ばないと怒る。仲良くなるまで我慢しよう。 勉強は苦手でクリスと最下位争いをしている。性格は頭より行動が先なタイプ。 バンドのボーカルをしているがおまえその衣装ダサすぎだろ。 とある私服が印象的過ぎて通称『棒グラフ』。肩破けてますよ。 クリストファー・ウェザーフィールド CV:神原大地 今作の芸術キャラ担当。類に漏れず変人。前作ほどではないが。 見た目まんまのふんわりした性格で思考もふんわりしている。 名前の通り見た目は外国の兄ちゃんだがなぜか京都よりの関西弁でしゃべる。初登場の際は女子更衣室を覗いている。 天地翔太(あまち しょうた) CV:成瀬誠 今作の後輩キャラ担当。応援部に所属している。背の低い人懐こいかわいい見た目で入学早々女子から人気。 姉がたくさんいるらしくその影響か実はかなりブラックな性格をしているが猫をかぶっている。甘いものがすきで大食漢。 若王子貴文(わかおうじ たかふみ) CV:森川智之 通称『若ちゃん』『若サマ』と呼ばれる。主人公の先生。 天然でほんわかしたキャラで主人公とは課外授業を通して仲良くなっていく。 男女問わず人気が高いが教頭先生からよく注意されている。 実は天才でIQもとんでもないとか言ううわさが流れているが果たして……。陸上部の顧問。 真咲元春(まさき もとはる) CV:うえだゆうじ 一応隠しキャラ。花屋でバイトすると登場する。羽ヶ崎学園の先輩で二流大学に通う1年生。 学校では会えないため電話してくる機会が多くストーカー扱いされる悲しいキャラ。 赤城一雪(あかぎ かずゆき) CV:野島健児 今作の隠しキャラ。前作のはばたき高校に通っている。 濡れた女の子を放っておけないイケメン。つかず離れずでなかなかうまく進まない。 真嶋太郎(まじま たろう) CV:谷山紀章 DS版に登場する隠しキャラ。先輩キャラ。 ときメモGSシリーズ屈指の酷い男。 しかしそんな行動にも理由があるので根気強く付き合ってあげよう。 ファンからはもはやネタ扱いされている。イカ悪魔......。 古森拓(こもり たく) CV:松原大典 DS版に登場する隠しキャラ。転校生キャラ。 主人公のいるクラスに2年生10月に転校してくるが、諸々の理由で不登校となってしまう。 主人公の行動次第で学校に復帰する。 GSシリーズのなかで一番のピュアキャラ。 友達、サポートキャラ パラメータをあげたり特定の部活に所属したりすると出る女の子の友達やその他のキャラ。 場合によってはライバルとなることもある。 藤堂竜子(とうどう たつこ) CV:進藤尚美 姉御肌なかっこいい女性でイケメン。ネイルアートの道に進むらしい。 友達状態だと頼れるねーちゃん。恋愛も男らしい。志波勝己が好き。 小野田千代美(おのだ ちよみ) CV:小桜エツ子 小動物系のかわいい少女。真面目な性格で頭が固いが天然。タママですう!氷上格が好き。 西本はるひ(にしもと はるひ) CV:前田愛 関西弁の元気っ子。こらそこ、EVSをキョンにするな。洋菓子店でバイトしている。 誰とでも仲良くなれるキャラで初対面でも普通に接してくる。針谷幸之進が好き。 水島密(みずしま ひそか) CV:皆口裕子 男子からも女子からもプレイヤーからも人気がある女性。 大人で気品にあふれ誰とでも分け隔てなく接するため勘違いされよく告白される。男からも女からも。 お姉さま! 元ヤン疑惑がある。クリストファー・ウェザーフィールドが好き。 このキャラがラブプラスの姉ヶ崎寧々のプロトタイプ。 皆口裕子のボイスでギャルゲーを作ろうと思い立ったためラブプラスが生まれたのである。 音成遊(おとなり ゆう) CV:小林由美子 今作の情報キャラ。お隣の少年。個別エンドがある。 男性プレイヤーに人気。俺も好き。星川真希に似ているとか言わない。 有沢志穂(ありさわ しほ) CV:ゆかな 前作の登場キャラ。花屋アンネリーでバイトをしている。 ときメモで前作のキャラが登場するのは初。 花椿姫子(はなつばき ひめこ) CV:松崎史子 前作の花椿吾郎の姪なのだがいろいろ不明な点が多すぎるキャラ。 デイジーの名付け親。今作唯一のホラーエンドがある。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄をリセットしました。 -- 名無しさん (2019-11-13 06 28 16) 野原しんのすけや野原ひろしを攻略できる恋愛ゲームとか口走ったら怒られるか -- 名無しさん (2023-11-17 22 56 37) 無印とGS3〜GS4やったけど、GS2だけ未プレイで気になってたのにハード的に厳しかったからswitchに出るのホント嬉しいし楽しみだなー -- 名無しさん (2024-01-04 21 36 37) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nekonomike/pages/189.html
#blognavi カテゴリ [total girl] - trackback- 2006年04月13日 17 37 31 #blognavi
https://w.atwiki.jp/gachmuch/pages/1065.html
[Verse - Biggie] Uhh、俺はガンガン行くぜ、女を家に連れて行くなら、****するのが必須条件 簡単だ、女に電話をかけて、シャネルのコロンをつけ、ダイアモンドもたんまり身に着けシャープに着飾る これで女達を惹きつけるのさ、俺の目的はセックスだけ 俺のレクサスの中でテレビを見てるなら、これから何が起こるか分かるはず 女達も分かってるのさ、午前4時15分、ほろ酔いでクラブを出たら、何も言うなよ 「明日どうやって家に帰ればいい?」って質問以外はな リル・シーザーが保護監察官に会った後、お前を送ってやるって 内心考えてるのはこんなこと、こいつ、俺の****を飲んでくれるといいなって(uh-huh) この女、俺の白い靴の上に酒をこぼしやがった ゲートに到着、腹はすいたか? さっき食べたから大丈夫 8時までに会社に行かなきゃと彼女、ってことはさっさと始めていいってことだな 少し話したら、初デートで初**** 「お前が俺をこんな気にさせたんだ」と俺 「普段は私、こんなことしないけど」と彼女 そして俺は、****を出す、もちろんゴムは付けたさ、さあ、お前の全てを楽しませてもらうぜ お前の口に指を入れ、ブラウスのボタンを外す、Tバックのパンティも下ろして、aoowww 彼女の背中を痛めるほど激しく****、駐車場の中 チェロキーと緑のコンヴァーチブルの横、****するまで俺は止まらないぜ ジーンズ、スカート、裸、お前が何を着てても****してやる [Chorus] 俺の愛しいナスティ・ガール、ナスティ・ガールを愛してる 俺の愛しいナスティ・ガール、ナスティな女性達、B.I.G.のためにパイオツを掴めよ 俺のナスティ・ガール、世界中にいる俺の女達 俺の愛しいナスティ・ガール、ナスティな女性達、B.I.G.に向けてパイオツを掴めよ [Verse - Diddy] 踊ってくれよ、ストリップもよろしく、その体と腰を動かし、ストリッパーみたいにスケベに踊ってくれ プリンスを聴きながら、****しよう、俺と****してないうちは、一流のものを知ってるとは言えないぜ ラ・ペルラのランジェリーをつけ、パールのネックレスも身につけ、パールカラーのジェットに乗って旅行 俺のスタイルは控えめな女性を喜ばせる、彼女の背中が痛くなるまで長く激しく**** まるで裁判みたいに長引く俺の****、さあ、俺とお前でヘネシーを飲もう それから****だ、ショーン・コムズと****したい女は山といる パトロン(テキーラ)を飲みながら、車を爆走させるぜ、女達は俺が欲しくてたまらない お前を突いてやったら、お前も腰を動かしてくれよ、それからこう言ってくれ、「ディディ、すごくいいわ」って シャツをまくり上げ、俺の口説き方、わかるだろ、ヒールにスカート、全て脱いでくれ さあ、楽しい仕事に取り掛かるぞ [Chorus] [Verse - Nelly] オーケー、どんな****が好きなんだい?ゆっくりとナイスな****? それともガンガン突き上げるような****? 髪の毛をどかして、ネックレスを噛んで、ルイジアナ出身の俺の****が、どんなに凄いかを教えてやるよ お前にとてつもない快感を与え、潮を吹かせてやるよ 事が済んだら、マットレスを裏返して、シーツも変えなきゃな、ビショビショだ 俺は別に過激じゃない、お前のパイオツからTバックまで、なにはともあれ、絶対にイカせてやるから もうそろそろイクんだろ、俺と****したら、必ずイケるからな 俺は長持ちするからな、ずっと****していられる 俺の言うことに共感してる女性は、ビギーのためにパイオツを掴めよ [Chorus]
https://w.atwiki.jp/nintendods-lovestory/pages/21.html
ときめきメモリアル Girl s Side 2nd Season ゲーム概要 主人公設定 相手キャラ 恋愛要素等の概要 関連レビュー記事 wiki参加者の感想・レビュー ゲーム概要 発売元 KONAMI 開発会社 KONAMI/ ジャンル 学園恋愛シミュレーション 備考 CERO B区分(12歳以上対象) 発売日 2009年2月14日 メーカー希望価格 5229円(税込) 公式サイト 主人公設定 なまえ変更機能 あり デフォルト名 キャラデザイン チビキャラのみ 相手キャラ なまえ変更機能 なし デフォルト名 あり キャラデザイン あり デフォルト名 備考 VC VC VC VC VC VC VC VC VC VC 恋愛要素等の概要 デート あり ときめき会話 あり 告白 あり 結婚 なし 同居 なし 出産 なし 個別エンディング あり 関連レビュー記事 wiki参加者の感想・レビュー
https://w.atwiki.jp/elvis/pages/1888.html
Art of Pixar Animation Studio Fold And Mail Stationery Chronicle BooksHenry Quiroga Places to Check Out A Do-It-Yourself Travel Guide (Check Out) Chronicle BooksHenry Quiroga Oh Boy Chronicle BooksHenry Quiroga
https://w.atwiki.jp/niconicokaraokedb/pages/471.html
のろいのめか゛ね ~ stay girl in her lenses のろいのめかねすていかあるいんはあれんしいす【登録タグ:VOCALOID ぶっちぎりP 曲 曲の 曲のろ 鏡音リン】 曲情報 作詞:ぶっちぎりP 作曲:ぶっちぎりP 編曲:ぶっちぎりP 唄:鏡音リン ジャンル・作品:VOCALOID カラオケ動画情報 オフボーカルワイプあり コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rr-wiki/pages/68.html
3月7日(土) 『GIRLS x GIRLS x GIRLS』 会場 鶯谷 東京キネマ倶楽部開場 10 30開演 10 45出番 11 35〜11 45物販 11 50〜12 35料金 ¥2,500 D代別 ※再入場可能 会場を出られる際は受付でスタンプを必ずもらってください。ドリンク代が別途必要となります。曲目 「ecorotion」 「まっすぐ」 「ROOKIE」 出演 しず風&絆~KIZUNA~/KNU/ヤンチヤン学園/TRY OUT/Splash!/ユイガドクソン/Barbee/ベースボールガールズ/AngeLip/loop/キャンディZoo/にじいろ学園/プリティグッド!/バーサスキッズ/チャメッ娘☆WITCHES/ジュネス☆プリンセス一期生/ジュネス☆プリンセス二期生/T!P/ケドナニカ/clipclip/サミツミサ/東京AJRabbits/桐矢佳菜/加藤育実/PG/レッドリボン軍/ドリームステーションチームwater/ドリームステーションチームload/他備考
https://w.atwiki.jp/cosmos_memo/pages/808.html
Good bye little girl Mi BASIC Level 1 BPM 110 Notes 126 1 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 2 口口口口 |①---| 口口①口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 3 口口口口 |①---| 口①口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 4 ②口①口 |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |--②-| 5 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 6 口口口口 |①---| 口口①口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 7 口口口口 |①---| 口①口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 8 ②口①口 |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |--②-| 9 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 10 口口口口 |①---| ②口口① |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 11 口②①口 |①---| 口口口口 |----| 口口③口 |②---| 口口口口 |③---| 12 口口口口 |①---| 口①②口 |②---| 口③口口 |③---| 口口④口 |④---| 13 口口口口 |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口①口口 |----| 14 口口口口 |①---| 口②口口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |----| 15 口②①口 |①---| 口口③口 |②---| 口口口口 |③---| 口口口口 |----| 16 口口口口 |①---| 口①②口 |----| 口口口口 |②---| 口口口口 |----| 17 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 口①②口 |③---| 口③口口 |----| 18 口口口口 |①---| 口②口口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |----| 19 口口口口 |①---| 口口①③ |----| 口②口口 |②---| 口口口口 |③---| 20 口①②口 |①---| ③口口口 |②---| 口口④口 |③---| 口口口口 |④---| 21 口口口口 |①---| 口口口口 |----| 口③口口 |②---| 口①②口 |③---| 22 口②口③ |①---| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 口口口口 |----| 23 口口口口 |①---| 口①②口 |②---| 口③④口 |③---| 口口口口 |④---| 24 口口口口 |①---| 口口口口 |----| 口口口② |----| 口①口口 |②---| 25 口③②口 |①---| 口①口口 |②---| 口口口口 |----| 口口口口 |③---| 26 口口口口 |①---| 口②①口 |②---| 口④③口 |③---| 口口口口 |④---| 27 口口口口 |①---| 口④口口 |②---| 口口③口 |③---| 口②①口 |④---| 28 口口①口 |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 29 口口口口 |①---| ①口口④ |②---| 口口②口 |③---| 口③口口 |④---| 30 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 口①口口 |----| 口口②口 |----| 31 口口口口 |----| ①口②口 |----| 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 32 口口口口 |①---| 口③口② |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 33 口口口口 |①---| ②口口③ |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 34 口口口口 |①---| ③口④口 |②---| 口①②口 |③---| 口口口口 |④---| 35 口口口口 |①---| 口口口口 |----| 口①口口 |②---| 口③②口 |③---| 36 口④口口 |①---| 口②③口 |②---| 口口①口 |③---| 口口口口 |④---| 37 口口口① |①---| 口口口口 |----| 口②③口 |②---| 口口口口 |③---| 38 口③②口 |①---| 口①④口 |②---| 口⑤口口 |③---| 口口口口 |④-⑤-| 39 口口①口 |----| 口②口口 |----| 口口口口 |①---| 口口口口 |②---| 40 口②口口 |①---| 口口③口 |----| 口口①口 |②---| 口口口口 |③---| 41 口口口口 |①---| ③口口② |----| 口①口口 |②---| 口口口口 |③---| 42 口②①口 |①---| 口④③口 |②---| 口口⑤口 |③---| 口口口口 |④-⑤-| 43 口口口口 |----| 口口口口 |--①-| 口口口② |----| 口①口口 |-②--| 44 口口口④ |①---| ③口口② |②---| ①口口口 |③---| 口口口口 |④---| 45 口①口口 |①---| 口口②口 |②---| 口③口口 |③---| 口口④口 |④---| 46 口口口口 |①---| 口口②口 |----| 口口口口 |----| ①口口口 |②---| 47 口口口口 |①---| 口①口口 |----| 口口②口 |----| 口口口口 |②---| 48 口口④口 |①---| ③口口② |②---| 口①口口 |③---| 口口口口 |④---| 49 口①口口 |①---| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 口口口口 |----| 不确定度 0
https://w.atwiki.jp/jososs/pages/17.html
IMITATION-GIRL 「ゆかりってさー、いつ見てもほんっと可愛いよねー」 「えー、突然何言い出すのよー」 「髪の毛すごいサラサラだよねー。シャンプー何使ってんの?」 「目も大きくてパッチリしてて羨ましー。これって付け睫毛じゃないんでしょ」 「やだもう皆して…そんなに言われたら恥ずかしいよ」 放課後。 帰り支度を整えている小桜池有菜(おおうち ありな)の耳に甲高い声が何重にも折り重なって飛び込んでくる。 (あいつ等いつもいつも同じようなこと話してて何が楽しいんだか……) うんざりした表情で有菜は声の中心に目を向ける。 「だってホントのことだもーん。ねえ、そのリップって新作のやつ?」 「うん、この間発売したの。美穂も使ってみる?」 「えっ、いいの?」 「うん。だって私たち友達でしょ」 「…もうゆかりってば大好きッ!!」 (……何で女って友達同士でああやってベタベタするのかね) 男の有菜には全く理解できない形で友情を育んでいる女生徒たちの姿を見て、有菜は溜息を吐いた。 「……ねー、アイツさっきから私たちのほうジロジロ見てない?」 「え、ああ…小桜池のこと?」 「アイツ昼休みも私たちのこと見てなかった?」 「やだー、気色悪ぅー」 隠す気がないのか、わざと聞かせようとしているのか、 有菜に丸聞こえの声で陰口を言い始める女生徒たち。 「……別に見てなんかいないよ」 複数の女子から向けられる冷ややかな視線に耐え切れず、 帰り支度もそこそこに有菜は席を立った。 「……前から思ってたけどさー、小桜池ってキモくない?」 「あー、私も思ってたー。アイツいっつも下向いててボソボソ話すしさー」 「ゆかりもそう思わない?」 「……まあ、そんなこといいじゃん。それより今度駅前にさ…………」 「…………………………………………」 耳障りな話し声を有菜は乱暴にドアを閉めて遮断した。 「…………はあ……」 帰り道を歩きながら、有菜は本日二度目の溜息を吐いた。 「何で女子ってああやって群れたがるんだろうね……」 有菜は教室にいた女生徒たちを思い出す。 ほとんどの女子は顔も名前も朧げにしか記憶していなかったが、 彼女等の中心にいた少女だけは鮮明に有菜の脳裏に焼きついていた。 高須賀ゆかり。 その黒目がちな大きな眼も、高い鼻梁も、顎先がキュッと尖った輪郭も、 艶やかな光を放つ髪も、見ているだけで柔らかさが伝わってくるような唇も 目を閉じれば瞼の裏にはっきりと映し出すことが出来る。 「………………………………………」 有菜の通う高校の中でもずば抜けた美貌を持つ彼女の周りには いつもその美しさを讃える生徒たち(時には教師までも)が入学当初から耐えることなく溢れかえっていた。 「何でアイツがあんなに人気があるんだか……」 ぶつぶつと独り言を呟きながら、有菜は自宅のマンションに辿り着いた。 ドアノブを回す。鍵は掛かっていない。 「ただいまー。……母さん帰ってきてんのー?」 靴を脱ぎながら声を掛けてみるが、返事はない。 「…………」 家に上がり、廊下を通りって居間に向かうと、 ソファーの上に母がスーツ姿のまま寝転がっていた。 「……母さん、ただいま」 「――――――――――――んっ……。 …………ああ、アンタか。おかえり」 有菜の母、夏実(なつみ)は息子の方に顔だけを向けて起き上がりもせずに出迎えの挨拶を告げた。 「あのさー、先に帰ってきたらまず洗濯物を取り込んどいてくれって何度も言ってんでしょ」 「うるっさいわねー……疲れてんのよあたしは」 声を出すのも面倒だと言わんばかりの態度で返答し、夏実は寝返りを打つ。 「それよりさ……早いとこ夕食作ってくんない? あたし昼抜いたから腹減って仕方ないのよ」 「またぁ? 昨日も一昨日も僕が作ったじゃん。夕食は当番制って約束はどうなったの」 「うっさいわねー……誰に食わせてもらってると思ってんのよ」 「……子供を養うのは親の義務ですけど?」 「あーっ! もうやだやだ! 最近の若いやつはすぐ権利とか義務とか言い出して。 ウチの若い社員どももすぐ自分の権利ばっか主張しやがって……給料分働いてから物言えっつーの!!」 「もう分かったから……ソファーを蹴っ飛ばすのはやめてください」 洗濯物を取り込みながら、有菜は本日三度目の溜息を吐いた。 「ねー、まだ出来ないの?」 部屋着に着替えた夏実が冷蔵庫を開けながら調理場の有菜に文句を付ける。 「あと五分くらいで出来るからもうちょっと待ってて」 「アンタってさー、昔っからやることなすこと遅いのよねー。 グズっていうかノロマっていうかさー」 「……お惣菜も冷凍食品もないのにそんな短時間で用意できるわけないだろ」 「それで口を開けば言い訳ばっか。……誰に似たのかしらね本当」 憮然とした面持ちで手前勝手なことを言い放ち、 夏実は冷蔵庫から取り出した缶ビールの蓋を開けた。 「……そんなんだから父さんに逃げられるんだよ」 「ああッ!?」 「すいません。何でもないです」 そんな穏やかな母子の語らいの最中、 ふいにガチャンと、扉を開く音が聞こえた。 「……あ、おっかえりなさーい!!」 それを聞くやいなや、夏実は不機嫌な顔を破願させて玄関へと駆け出していった。 「ただいま、おばさん」 「遅かったわねー、おばさん心配してたのよー。 お腹空いてない? もうすぐ夕飯できるからね。あ、靴ベラ使う?」 「大丈夫です。有難うございます」 「もー、そんな畏まった話し方しなくてもいいっていつも言ってるでしょー」 「疲れてんじゃなかったのかよ……」 玄関から聞こえてくる母の浮付いた声に、有菜は不満を通り越して苦笑の笑みを浮かべる。 そんな有菜を余所に、夏実は鼻歌交じりの上機嫌で居間に戻ってきた。 「ボーっと突っ立ってないでさっさと皿でも並べなさいよ有菜」 「いや、鍋の様子を見てるんですけどね……」 そう言いながら振り向くと、母の後ろから現れた『もう一人』と有菜の視線が交錯した。 「……おかえり」 有菜がそう告げると、 「――――ただいま」 高須賀ゆかりは使い古された定番の言葉で返事をした。 小桜池夏実には妹がいた。 名を、冬美(ふゆみ)という。 冬美は高須賀亮(たかすか りょう)という男と結婚し、一人の女児を設けた。 それが高須賀ゆかりである。 ……要するに有菜とゆかりは従兄妹同士の関係にあった。 「おばさんね、本当はゆかりちゃんみたいな女の子が欲しかったのよ」 有菜の作った鶏肉とインゲン豆のスープを味わいながら、 夏実は隣に座ったゆかりに緩みきった笑みを向ける。 「有菜って名前も、娘に付けようと思って考えてたのよね。 まあ、何故か男が産まれちゃったんで息子に付ける事になっちゃったんだけどーハハハ。 あ、ここ笑うトコね」 笑えねえよ、と有菜は心の内で思った。 思っただけで口には出さなかったが。 「……………………………………」 夏実は昔からこの美貌の姪御を可愛がっていた。 親戚同士の集まりの時は勿論、そうでなくても何かと理由をつけてはゆかりを家に招き入れては 息子の有菜をほったらかしにしてベタベタとした愛情を惜しみなく注いでいた。 ゆかりが高校に進学を決めた際、「高須賀家よりウチの方が学校に近いから」と 有菜の承諾も無しに小桜池家にゆかりを下宿をさせるよう取り計らったのも彼女だ。 ちなみにそれに際して、有菜は自分の部屋から荷物を全て――――ベッドから勉強机までを 物置として使われていた小部屋に一人で移し変え、自室をゆかりに明け渡したのだが そのことに対して感謝やねぎらいの言葉を掛けられたことは一度も、誰からも、ない。 「まあ、嬉しい。私もおばさんのこと大好きですよ」 「やっだもー! 可愛いこと言ってくれちゃってこの子はっ!」 年甲斐もなく甘ったれた声を出してはしゃぐ夏実。 「…………………………………………」 まあ、母のことはこの際置いておこう。 ゆかりもゆかりだ。居候の身でありながら家事を手伝おうという素振りも一切見せず、 無償で家人から奉仕を受けること、目の前にいる実の息子を差し置いて夏実から耽溺されることに対して 何ら疑問も、遠慮も、呵責も抱いていない。 (コイツは昔からこういう奴だったな……) 従兄妹同士ということで、有菜とゆかりは乳飲み子の頃からの付き合いだ。 有菜の記憶の中の最も古いゆかりの姿を引き出してみても、 それは今のゆかりと何ら変わらず、宗教画に描かれた女神のように超然とした笑みを浮かべていた。 愛されることに慣れている。 与えられることに慣れている。 それが自分にとって当然の権利であると思っている。 高須賀ゆかりはそういう少女だった。 「…………………………はあ」 有菜はスープを啜りながら「冷蔵庫の中の食材が切れたから明日買ってこなきゃな」と考えていた。 溜息を吐いた数はもう忘れてしまった。 「ふー……」 有菜が一人で流し台に立って食器を洗っていると、風呂上りのゆかりが寝巻き姿で居間に入って来た。 タオルで髪をまとめ、白いうなじが剥き出しになっている。 「………………」 有菜はゆかりという人間に対して好意と呼べる感情はまるで持っていなかったが、 それでもその美しい姿を目の当たりにすると心臓がドクンと高鳴ってしまう。 普通なら、ブラウン管を通さなければまずお目にかかれないような極上の美少女。 それが手を伸ばせば届くほど近い距離で息衝いているという―――― 「………何、ジロジロ見て」 そんな甘い感傷が、ゆかりの冷たい声によって一瞬で掻き消された。 「有菜さあ、学校でも私のことジロジロ見てたでしょ」 普段発している、聞く者の耳をくすぐるような甘い声とは打って変わった 冷ややかな声で有菜に語り掛けるゆかり。 学校や夏実の前では、皇家の国事行為のように笑顔と愛想を振りまいている彼女だったが、 有菜と二人きりのときはそうしたものは一切見せなかった。 「だから学校のあれは違うんだって……前の席に座ってんだから顔を上げれば 視界に入っちゃうのは当然だろ」 理由は、有菜にも良く分かっている。 自分がゆかりの事を嫌っているからだ。 他の者たちのように彼女の美しさを讃えようともせず、惜しみなく愛を捧げようともせず、 『お前の事が気に入らない』という態度で接している有菜には、ゆかりの方も それ相応の態度で臨む、ということなのだろう。 「ふぅん……ま、別にどーでもいいけど……。 でもね、何度も言ってるけど私と有菜が従兄妹って事は学校の皆にバレないようにしてよね」 「だからそれは分かってるって……」 「アンタと私が従兄妹同士でしかも一緒に住んでるなんてことが 皆に知られたら何て言われるか……冗談じゃないわ」 『自分と有菜が従兄妹同士で、同居しているということは周囲に隠し通すこと』。 ゆかりが小桜池家に下宿する際に突きつけてきた条件だった。 何故下宿させてもらうほうが家人に条件を突きつけるのか、という瑣事についてはもう語るまでもないので省略する。 有菜としても、特にこの取り決めに異論はなかった。 自分だってゆかりと一緒に住んでるということが知られたら男子から何を言われるか分かったものではない。 「………………………………」 だからと言ってこうもあからさまに自分のことを汚点のように扱われては―――― 「あ、そうそう」 ふと、何かを思い出したように呟くゆかり。 「明日ここに友達呼ぶからさあ、有菜はそのあいだ家から出てって」 「………………何時まで?」 「次の日の朝まで」 「朝!?」 危うく掴んでいた皿を落としかけたが、寸前の所で踏みとどまった。 「別いいでしょ? 有菜は男なんだからその辺の公園ででも寝れば」 「そんなこと出来る訳ないだろ!? お前ワガママもいい加減に……!」 「――――――――あ?」 異議を申し立てようと声を張り上げた有菜の叫びが、 ゆかりの発した、たった一音によって遮られた。 「何か――――文句、あるの?」 「……………………………………」 怒っている、という表情ではない。 常識から外れた狂人の所業を咎めるような、無表情の中に蔑みと哀れみの情を含んだ そんな視線でゆかりは有菜を睨み付けた。 「……………ぅ……」 有菜は、ゆかりが時折見せるこうした顔が心底苦手だった。 笑みを捨て、眦を裂いたゆかりの美貌は女帝のごとき貫禄と凄みを持って有菜の心を打ち据える。 どう考えても無茶を言っているのはゆかりの方なのに、この顔を向けられるとその考えが揺らぐ。 自分の方が何かおかしなことを言っているのではないか? そんな疑念が頭の中に浮かんでくる。 この眼に睨まれると―――――逆らえない。 「………………分かっ……たよ」 首を絞められた人間が呻くような声で、有菜は承諾の言葉を告げた。 「っふー! いーいお湯だったわー」 居間に溜まった重苦しい空気をぶち破って夏実が入り込んで来た。 「ゆっかりちゃーん。今夜はおばさんと一緒に寝・な・い?」 「えー、そんなの恥ずかしいですよーう」 …………先ほどまでの凄みはどこに消えたのか。 愛らしい笑顔と媚びた声を発しながら夏実に応えるゆかり。 「そんなぁ、いいじゃなーい。……あ、有菜。 風呂場の隅の方に汚れが溜まってたから後で掃除しといて」 「………………………………………………………はい」 「はあ……」 女二人から押し付けられた家事を全てこなし、 有菜は深い溜息を吐きながらベッドに倒れこんだ。 「…………………」 首を傾げ、ベッドの横に置かれた鏡に自分の姿を映す。 隷属することに慣れてしまった、卑屈な目つきの少年が映り込んでいた。 負け犬の目だな、と思った。 「……………………………………」 有菜は自分の外見にコンプレックスを抱いていた。 顔に限ったことではない。日本男児の平均身長を5cmほど下回った背丈も、 ろくに筋肉の付いていない華奢な体躯も、全てが嫌いだった。 ゆかりのように自らの外見を誰かに誉められたことなど一度もない。 「………………………………………………………………………………」 もし、 もしも自分が男ではなく女に生まれていたら、 高須賀ゆかりのような、見た者が平伏さずにはいられないような美少女に生まれていたら……。 ―――――馬鹿な。何を考えているんだ、僕は。 益体のない妄想を頭から振り払い、有菜は目を閉じた。 視界が黒一色の闇に覆われる。 (………………………) 闇はいい。 美少女も、醜男も、闇の中では全て塗りつぶされて、消え失せる。 平等な、世界。 (―――――――――――――――。) 有菜の意識は闇の底に沈んでいった。 土曜日。 世間の人々にとって今日は休暇を謳歌し、一週間の疲れを癒すために作られた安息日であったが 小桜池家ではその慈悲に預かれる者は少なかった。 夏実は海外出張ということで、今日は日も昇らぬ内から出勤していった。 帰宅予定は明後日とのことである。 小規模とはいえ、経営者としての一つの会社を背負う身となると、 週休二日制の恩恵を当然のように享受することは出来ないようだ。 一方、有菜は一週間で溜まった家事を消化するために孤軍奮闘していた。 手伝ってくれる者はいない。現在、小桜池家の家事全般はすべて有菜一人の手に委ねられていた。 以前は夏実と折半して行っていたのだが、有菜が成長し、一人前の家事能力を身に付ける様になると 夏実は家事に対する協力を放棄し、全てを有菜に一任するようになった。 「………………」 そのことについて、有菜は不満がないわけではなかったが、 夏実を本気で責めるつもりもなかった。 夏実が多忙で、いつも心身ともに疲れきった状態で帰ってくることは有菜が一番よく分かっている。 女手一つで自分を育てるために、その細い体で社会の荒波と闘っているのだ。 家事くらいはある程度自分がやって、夏実の負担を少しでも軽減するよう努めるのは当然のことだと思う。 まあ、その有菜の内助の功に対して夏実がまるで感謝の意を示そうとしない点は多少腹立たしくもあったが。 だが―――――それより何より本当に腹立たしいのは『もう一人』の方だ。 「……あ、」 有菜がリビングフロアに掃除機を掛けていると、ヘッドが何か硬いものにぶつかってガチリと音を立てた。 視線をそちらに向けると、小さい化粧瓶が一つ床に転がっていた。 「……何回片付けろって言えば分かるんだ……ゆかりの奴は」 リビングを見回すと、この化粧瓶の他にもゆかりの私物があちらこちらに散らばっていた。 十分な広さの部屋を自室として一人で占拠しているにも関わらず、 ゆかりは家族全員の憩いの場であるはずの居間に、平気な顔で自分の私物を大量に持ち込んで、 私室であるかのように置きっ放しにしていた。 このままだと小桜池家の全てがゆかりの『自室』として占領されるのも時間の問題かな……と、 有菜は洒落にならない冗談を思い浮かべ、苦笑した。 「何一人でニヤニヤ笑ってんの? 気持ち悪い」 ―――――いつの間にか、 有菜の背後に高須賀ゆかりが立っていた。 「てゆーかまだ家にいたの、有菜」 「……いちゃ悪いかよ」 そもそもお前の家じゃないだろ。 「私、7時くらいには友達連れて帰ってくるからさー。 それまでには昨日言った通り家から出てってよね」 「……………………………………………………………」 今日は随分気合が入ってるな…と、有菜はゆかりの姿を見て思った。 上半身を着飾るのは、襟から体の中心線に掛けてフリルがあしらわれた白いパフスリーブブラウス。 腰には折り目正しくプリーツの入った黒いミニスカート。 サイハイソックスとスカートの裾の隙間から、肉感的な太腿がチラチラと見え隠れしている。 視線を上に戻す。 白く滑らかな頬にはうっすらと紅が差し、唇は艶やかなピンク色に染まっている。 普段は肩に掛かるくらいの長さしかないゆかりの髪だが、 今日は胸元にウェーブの掛かった房が垂れるまでに伸びている。エクステ……付け毛を用いているのだろう。 そのまますぐにでも少女向けファッション雑誌の表紙を飾れそうな、華やかで愛らしい装いだった。 (朝から部屋にこもって何をしてるのかと思ったら……) ゆかりは午前10時頃に起床し、有菜の用意した朝食を食い散らかしてから 今現在までずっと自室に閉じこもっていた。 どうやら、今のこの姿を作り出すためにひたすら自分の飾り立てに勤しんでいた様だ。 全くもって気楽な女子高生の休日そのものである。 「……ゆかり、それなんだけどさ……」 「何よ」 「やっぱり……幾らなんでも無理だよ。一晩中外に出てろなんてさ……。 僕、ホテルに泊まれるようなお金も持ってないし……だから……」 「は?」 こくん、と首を傾げるゆかり。 「何、言ってんの?」 まるで、小さい子供が何かトンチンカンな発言をするのを聞いた大人のような、 嘲笑めいた余裕の笑み。 「………………………………………………………」 黙って言う事を聞けという支配的な意志は感じられない。 あくまで正しいのは自分、理は明々白々に自分にあるというのに 何故この男はそれが判らないのだろうと不思議に感じているような そんな様子の、ゆかり。 (こいつは―――――) こいつは自分が無茶な要求を“していない”と本気で思っているのか―――? 「…………いや、 何でもないよ」 もうこの女には何を言っても無駄だ。 そう言葉少なに悟った有菜は、それ以上の言及はしなかった。 「あ、そう」 それだけ言ってリビングのソファーの上に置かれたハンドバッグを手に取るゆかり。 「それじゃあ出掛けて来るから……あ、そうだ。 この部屋、私が帰ってくる前に綺麗に片付けておいてよ。友達連れてきても恥ずかしくないようにさ。 有菜に任せたからね。じゃ、そういうことでー」 ひたすら一方的に言い放って、ゆかりは扉を開き、外の世界へと駆け出していった。 最後まで堂々とした、気高さすら感じられる態度だった。 「はあぁぁぁぁぁぁぁ…………」 ゆかりを見送って、有菜は肺に溜まった空気を思いっきり吐き出した。 いつものことだが、ゆかりと会話していると本当に疲れる。息が詰まる。 別世界の住人と手探りでコミュニケーションしているかのように精神を消耗させられる。 「それにしても……」 有菜と二人きりだというのに、ゆかりはいつものような無表情ではなく笑顔だった。 全く珍しい……よほど機嫌が良いのだろう。 「……………」 男かな、と有菜は思った。 念入りにお洒落をして出かけて行き、保護者のいないときを見計らって 自宅に招き、朝まで……ということは、まあ、そういうことなのだろう。 ゆかりに言い寄る男が星の数ほどいることは有菜も良く知っている。 彼氏の一人や二人、いない筈がない。 「……まあ、どうでもいいか」 そんなことより今は目の前の、好き放題に散らかされたリビングの処置だ。 散らばっているゆかりの私物を一つ一つチェックしていく。 化粧品やアクセサリーだけではない。脱ぎっ放しで放置されたシャツやスカート、 信じられないことに下着まで転がっていた。 「どんだけだよ……おい」 楚々とした外見からは想像もつかないが、ゆかりは非常にだらしのない少女だった。 まあ、親戚一同から友人知人に到るまで、周囲の人間全てに 幼児期から現在までひたすらに甘やかされて生きてきた女だ。あれでしっかりした性格に育つわけがない。 それに……自分もその、ゆかりを甘やかしている人間の一人である。 「だからってなあ……男の僕と一緒に暮らしてるっていうのに恥ずかしくないのか……アイツは」 苦々しい顔で呟く有菜。 とは言うものの、自分とゆかりは従兄妹同士であり幼馴染。旧知の仲である。 今更異性として意識することは難しいのかもしれない。 事実、自分だってゆかりのことを恋愛や性の対象としては見ていない。 そういう目で見るには……あまりに嫌な部分を知りすぎてしまった。 「…………………………」 まあ、自分の場合はそれ以前にゆかりの眼鏡に適うような男でないというのが大きな理由であろうが。 「はぁ……」 有菜はまた溜息を吐いた。 高須賀ゆかり。 目の前からいなくなっても、彼女は有菜の精神を消耗させていた。 「とにかく片付けなきゃな……」 有菜は、リビングに落ちている雑多な物を一つ一つ拾って仕分けしていく。 化粧品や装身具はゆかりの部屋にある化粧台の上に置いてくればいいだろう。 衣類はまず洗濯が必要だ。洗って、乾かし、アイロンを掛けて洋服ダンスに仕舞う。 「……………………」 杜撰に脱ぎ捨てられたゆかりの服を一つ一つ手に取って、有菜は思う。 こうしてゆかりの服を見るとどれも、ろくにファッションの知識を持たない有菜にも 一瞥しただけで上等の品と分かる質感と手触りのものばかりだ。 アルバイトをしているわけでもないのに、よくここまで大量に買い集められるものだ。 「……いや、自分で買ってるわけないか」 おそらくどれもこれも、ここに散らばっている衣類全てが、 誰かから買い与えられた物だろう。 『誰か』から。 その『誰か』の中には―――有菜の母、夏実も含まれていることだろう。 「……………………………………」 自分が夏実に買ってもらった服を思い出す。 どれも皆、何処で仕入れてきたのか分からないようなヨレヨレとした安物ばかり。 ここに無造作に脱ぎ散らかされたゆかりの物とは雲泥の差。 「…………………………………………………………………………」 昔から、そうだ。 たまたま美少女に産まれ付いたというだけで、ゆかりは何もせずに何もかもを、 有菜が決して手に入れることの出来ない何もかもを平然と掻っ攫って行った。 昔から。 本当に昔から―――高須賀ゆかりはそういう女だった。 まだ、有菜とゆかりが幼稚園児の頃の話だ。 「会計を済ませてくるから、二人ともここで待っていなさいね」 夏実に連れられて有菜とゆかりが百貨店へ買い物に行ったときの話。 二人でベンチに座って、夏実が戻るのを待っていたときの話だ。 「……ねえ、ちょっと見て。あの子超可愛くない?」 「え? ……ホントだー。すっごい可愛い」 「すごーい。お人形さんみたーい!」 ただ座っているだけで、ゆかりの周りに二十歳くらいのお姉さんたちがワラワラと集まってきた。 「ねえ、お嬢ちゃんお名前は?」 「たかすか、ゆかりです」 「やだー! ねえ、この子喋った! 喋ったよぅ!!」 「声も超可愛いー! ねえ、お菓子あげるから後で食べて」 「どうもありがとう。おねえさん」 「きゃー!!」 「もう持って帰りたいくらい可愛いわーこの子!!」 はしゃぐお姉さんたち。 「…………………………………………………………………………」 すぐ傍らにいる自分は、道端に転がった石ころのように無視され続けた。 どうして? どうしてゆかりちゃんだけあんなに可愛がってもらえるの? どうしてゆかりちゃんだけお菓子もらえるの? どうして? どうして? どうしてなの? 当時の有菜は小さい頭で必死にその謎を解き明かそうとしていた。 そしてある時、一つの結論に辿りついた。 「ぼくもゆかりちゃんとおなじ服がきたい! フリフリしたシャツとか、スカートがはきたい!!」 そんな駄々を捏ねたことがあった。 美醜という概念が根付いていない幼少時の有菜には、 自分とゆかりの違いが、身に付けている衣服の違いくらいにしか見出せなかったのだろう。 自分も女の子の服を着れば、ゆかりのように皆からチヤホヤして貰えるに違いない――― 何とも子供らしい、単純な発想である。 ちなみにこの要望は夏実に「馬鹿なことをぬかすな」と一蹴され、 有菜は自分のわがままが容易には通らないという世の摂理を学ぶことになったのだが。 これと似たような経験を、有菜は幾度となく味あわされてきた。 自分とゆかりの間にある超えられない壁。生まれ持っての格の違い。 美少女として生まれてきたゆかり。そう生まれなかった自分。 それを見せ付けられるたび、有菜の頭にはいやが上にも一つの想いが浮かんでしまう。 もし、 もしも自分が男ではなく女に生まれていたら、 高須賀ゆかりのような、見た者が平伏せずにはいられないような美少女に生まれていたら……。 「……………………………………………………」 そんなのは全く持って無意味な妄想にすぎない。 だがそれでも、考えずにはいられない。 もしも自分が男ではなく女に生まれていたら。 きっと、ゆかりのような顔だけが取り得のだらしのない女ではない。 料理だって作れる。家事は全部出来る。他人に対する気配りも持ち合わせている。 ゆかりなんかよりずっと魅力的な女の子になっていたはずだ。 ゆかりなんかよりずっと、 ゆかりなんかより、ゆかりなんかより、ゆかりなんかよりずっとずっとずっとずっと!! 「…………………………………………………………………………」 .. . . ... . .. ――――――なればいいじゃないか。 そうだ、自分が今持っているゆかりの服を着ればいいのだ。 ゆかりは申し分のないスタイルをしているが、何故か体の線を出すのを嫌っているようで 所有している衣服はどれも大きめのサイズの物ばかりだ。 これならば……痩せた自分の身体なら何とか袖を通すことが出来るはず。 そうだ、これを着よう。 これを着ればゆかりのように、皆から愛される少女になれる。 ゆかりのように。 ゆかりのように。 ゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのように ゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのようにゆかりのように――――― (――――――馬鹿! 落ち着け!!) 暴走していく己の思考回路にギリギリの所で理性がブレーキを掛けた。 「………………は、 はぁ……はぁっ……」 いつの間にか荒くなっていた呼吸を落ち着け、気分を鎮める。 冷静に考えてみろ、男が女物の服を着たくらいで美少女に変身できるわけがない。 第一、他人の服を……しかも異性の物を勝手に着るなんてことが許されるわけがない。 「何を幼稚園児の頃と同レベルのことを考えているんだ僕は……」 落ち着いて、あくまで落ち着いて有菜はリビングを見回した。 ―――――散らばっているのは衣類だけではない。 ファンデーションがある。口紅がある。アイシャドーパレットがある。 香水がある。ビューラーがある。マニキュアがある。ウィッグやヘアーエクステンションがある。 人を女の子らしく見せるための道具が無数に存在している。 ここにあるものを、 ここにあるものを総動員すれば自分も――――― 「……いや、でも」 だが、しかし、 「…………………………」 (化粧品が一回分減ったぐらいでバレるはずがない) (服を着たって、すぐに脱いで綺麗に洗濯すればいいじゃないか?) 「そういえば……」 ゆかりが出掛ける直前に言った言葉を思い出す。 『この部屋、私が帰ってくる前に綺麗に片付けておいてよ。友達連れてきても恥ずかしくないようにさ。 有菜に任せたからね』 そう、確かにゆかりはそう言った。 . . .. .. .. . . . . . .. . . . . . . この部屋にあるものの扱いは全て有菜に任せると言ったのだ。 「……………」 有菜は眼球を動かして壁に掛かった時計に目をやった。 現在の時刻は午後一時を少し回ったばかり。 ゆかりは午後七時ごろに帰宅すると言っていた。 時間は―――――充分すぎるほどに、ある。 「…」 もう、迷いはなかった。 「―――――さて、」 リビングに散らかっていたゆかりの私物を整理し、有菜は一息ついた。 「どこから取り掛かろうか……」 有菜は指を振りながら、目の前に置かれた『女の子用品』を一つ一つ吟味していく。 「……これからやるか」 そう言って、有菜は一つの道具を手に取った。 ハサミの先端に湾曲した板が二枚、平行に取り付けられている奇怪な形の道具。 確か『ビューラー』という、睫毛を上向きにカールさせるための道具だ。 「えーっと、これは確か……」 ゆかりがソファーに寝転がって、この道具を使っていたときの事を思い出す。 「こう、左手で鏡を持って、右手で……」 近くにあった手鏡を顔の正面に構え、 ゆっくりとビューラーを睫毛に添えて、挟む。 「……あだっ!」 ―――瞼の肉を挟んでしまった。 「……鏡がフラフラしててやりにくいな」 手鏡を捨て、置き鏡をテーブルの上に備えて有菜はその前に座った。 顔を斜めに向けて、ビューラーと顔の距離がよく分かるように注意する。 そして再び、ビューラーを睫毛に近づけ、挟む。……今度は上手く行った。 「確かこの後しばらく挟んだままにするんだよな……」 ギュッと力を入れてビューラーを数秒間握り締める。 そしてゆっくりと、ビューラーを手にした腕を上へ上へと持ち上げていく。 「……よし」 だがこれで終わりではない。これだと睫毛が根元から三分の一しかカールしていない。 もう一度、今度はビューラーを浅く入れて中心の辺りをカールさせる必要があるのだ。 そしてその後で今度は更に先端三分の一をカールさせる。確かゆかりはそのようにやっていたはずだ。 ビューラーの挟む部分を先端へ……、慎重に、ゆっくりと手を動かしていく。 「何か妙に疲れるなこれ……」 右目の睫毛の先端をカールさせながら呟く有菜。 だがこれでまだ半分。次は同じようにして左睫毛を持ち上げなければ。 「……はぁーっ…」 両睫毛のカールを終えて、有菜は大きく息を吐いた。 どうも細かさが要求される作業を行うときは呼吸が止まってしまう。 「ゆかりは毎日こんな細かいことを平然とこなしていたのか……」 それで何故野菜のみじん切りも満足に出来ないのか、有菜は不思議で仕方がなかった。 「………………」 ビューラーを掛けた自分の顔を、鏡に映しまじまじと覗き込む有菜。 ただ睫毛が上向きに反り上がったというだけなのに、 暗く沈んだ印象だった有菜の顔は、光が差し込んだように明るくなった気がする。 「こうして見ると僕って睫毛長いなあ。眼も大きいし……」 自分の顔にコンプレックスを持っていた有菜は、あまり真剣に 鏡で自分の顔を見るということをしなかった。 しかしこうしてじっくりと向き合ってみると……結構整った顔をしている。 傍系とはいえ、ゆかりと血が繋がっているだけの事はある。 「睫毛一つで大分印象って変わるんだな……」 有菜は感心した表情で手に持ったビューラーを、 ソファーに並べられた多種多様の化粧道具を見つめる。 他の道具を使えばもっと…… もっと……どんどん綺麗になれる。 「……はは」 有菜は笑っていた。 こんなに心が弾むのは本当に久しぶりだ。 「……うーん……」 しかし、こうして睫毛を持ち上げ目元を引き立たせてみると それに付随して否応無しにその存在が強調されるものがある。 目の下の、隈だ。 「やっぱコレ、かなり酷いな…」 食事の支度や雑用の処理に時間を追われ、小桜池家で最も遅い時間に眠り、 最も早い時間に起床することを余儀なくされている有菜は慢性的な疲労と寝不足を抱えており、 その目の下の皮膚は絶えることなく、血行不良を示す暗い青色に染まっていた。 「確か隈を隠す道具ってのがあったような…………」 有菜は化粧用品の中から、肌色の朱肉のような物を取り上げた。 ファンデーション……ではない。 確か『コンシーラー』という名前の道具だ。 「これを指に付けて……」 つい、とパウダーを人差し指で掬い取り、 「隈に塗る……んだよな」 その指を目元へ運ぶ。 塗るといってもゴシゴシと擦り付けるわけではない。 ポン、ポン、と指先で叩くようにして隈に肌色を乗せる。 叩き、馴染ませ、青黒いラインを周囲の肌色に同化させて塗り潰していく。 目の下の隈が消え去ると同時に、 有菜の顔に絶えず浮かんでいた陰鬱な影は完全に消え去っていた。 有菜はそのまま人差し指を上へ運び、瞼に塗料を乗せる。 これで瞼のくすみを塗り潰し、顔の皮膚を均一な肌色で統一。 顔面を自由に彩色可能な無地のキャンバスへと作り変えていく。 下地が整ったことを確認して、有菜は指先に付着したコンシーラーのパウダーを ティッシュで拭き取って、アイシャドーパレットから淡いベージュの粉を拾い、 閉じた瞼に撫で付けていく。 「……っと…」 瞼全体をベージュに染め上げると、次はブラウンを中指で掬い取って 目の際に乗せ、そこからそっと瞼の上へと引き伸ばし、立体的なグラデーションを描く。 そして最後にアイライナーペンシルで目の周囲を縁取って全体を引き立たせる。 上睫毛と下睫毛の生え際、およそ1mmにも満たない眼球スレスレの僅かな隙間にペン先を走らせていく…… そんな緻密な作業を、有菜は寸分の狂いもなく完遂していた。 「…………………………………ふぅ……」 有菜は、この自身の持つ集中力と技能の発見に驚いていた。 今手元に置かれている数々の化粧用品は、どれもついさっき初めて手に取ったものばかり。 にも関わらず、誰に教わったわけでもないのに自分はこれらを愛用品のように使いこなしていた。 『何、ジロジロ見て』 『有菜さあ、学校でも私のこと見てたでしょ』 昨晩、ゆかりが口にした言葉が脳裏に蘇る。 有菜は以前から幾度となく、この手の苦言をゆかりから呈されてきた。 その度に、そんなのは向こうの自意識過剰に違いないと聞き流していたが…… こうしてみると、実際に自分は絶えずゆかりの姿を注視し続け、 その一挙手一投足を脳裏に焼き付けていたのかもしれない。 完璧な再現が可能なほど鮮明な記憶として―――。 「まあいいや」 そんなことより今は化粧を完成させる方が先決だ。 有菜はチークブラシにパウダーを付着させ、頬骨を中心に円を描くように撫で付けていく。 頬が淡いピンク色に染まったことを確認して、ブラシを口紅に持ち替える。 初心者には鬼門とされるスティックからの直塗りを危なげなくこなし、 ついに有菜の顔面はくまなく甘い匂いと鮮やかな色彩に包まれた。 「……」 鏡を覗き込んで、有菜は嘆息を零した。 覇気も生気も、年相応の若さすら感じられない、暗く平坦な男の顔はそこには無い。 映っているのは白く瑞々しい肌と、大きく輝く瞳と、赤ん坊のように無垢な桃色の頬と、艶やかな薔薇色の唇。 それらがミリ単位のズレも許されない絶妙な配置によって形作られる“美しい女”の顔だった。 素晴らしい。これなら…… 有菜は歓喜に緩んだ眼差しでもって、ゆかりが脱ぎ散らかして放置した衣類をまじまじと見つめた。 これならば……何の気兼ねなく女の子の服を着ることが出来る。 “女の子の服が着たい” 幼少時の苦い体験が発端となって生まれたこの願望は、心身の成長とともに影を潜めつつも 確たる想いとして風化することなく有菜の心の奥底に在り続けていた。 しかしながら、それが実行されることがなかったのは、道徳的・社会的観念に反するということよりも 単純に美意識の問題が大半を占めていた。 いかに美しい衣装といえども、その上に自分の首を据え付けてはただの奇怪で悪趣味なコラージュアートにしかならない。 女の子の服を着たところで、美少女になるどころかより一層、己の醜さが浮き彫りになるだけだ。 そうした理由から有菜は自分の女装欲求を精神の深層に封じ込め、目を背け続けてきた。 だが、今は違う。 今の自分は紛れも無い“女の顔”をしているのだ。 これならば、顔の下に女物の衣服があっても醜悪な印象が発露することは無く、 むしろ美しい調和が生まれることだろう。 そう、了解した有菜はたちまちの内に着ていたTシャツを脱ぎ捨てて ゆかりの放置した衣類の中で比較的皺の少ない一枚を手に取っていた。 「これを……」 手に取ったブラウスから微かにゆかりの残り香が薫る。 その甘い匂いが鼻腔をくすぐった瞬間、ほんの少しだけ罪悪感が募り、胸が痛んだ。 やはり辞めておこうかという迷いが心を掠めた……が、 「…………………」 次の瞬間には有菜の右腕はブラウスの袖の内側に入り込んでいた。 目測通り、ゆかりの服は大きめのサイズで、有菜の細腕と薄い胸板を収めるに足りる大きさだった。 両腕を袖に通し、体の正面でボタンを一つ一つ繋ぎ止めていく。 女物の服は男のそれとは違って打ち合わせが左前だという発見も、 今の有菜には取るに足らない些事でしかない。 ボタンを止める手を通して胸の高鳴りが伝わってくる。 沈鬱と諦観に枯れきった自分がこれほどの興奮を伴って何かに挑むのは一体いつ以来のことだろう。 ボタンを全てホールに通し、自身の上半身をゆかりのブラウスで隙間なく包み込むと、 心臓の鼓動はよりいっそう激しさを増した。 だが、まだ始まったばかり。 上着を羽織った程度では“女装”には程遠い。 本番はこれからだ。 有菜は、本来なら決して男性が身に着けることのない筒状の布を手に取った。 目の前にあるのは、総丈80cm程の藍色のウエストリブロングスカート。 何の変哲もないそれを、有菜は感慨に耽りながら見つめていた。 思えばこれほど端的かつ確然と“女性”を象徴するものが他にあるだろうか。 北欧の国には男性がこれを身に着ける文化も存在するが、そんなことは日本から出たことのない有菜には関係ない。 これを履く権利は女性にしか許されていない。 故にこれを身に纏った姿を見れば、誰しも直感的にその人物を“女性”と定義してしまう力を持った道具。 有菜はスカートという衣服をそんな風に捉えていた。 「……ふぅ」 吐息と共に有菜はズボンを脱ぎ捨て、手にしたロングスカートに足をくぐらせる。 そして腰の高さまで持ち上げ、ホックを……止めた。 「…………………」 スカートを履いて、最初に感じたのは“本当に履いているのか?”という違和感だった。 内腿と内腿が擦れ合うこそばゆい感触は、下半身に何も身に着けていないかのような錯覚をもたらしてくる。 (これが……スカートの感触なのか) これが“女性”の感触なのか―――。 スカートの内側を吹き抜ける微風の肌触りに自分の確たる変革を感じ取りながら、 有菜はロングヘアのウィッグを頭に被せ、女性らしさの表現に最後の彩りを添える。 ―――完璧だ。 今の自分は頭の頂から爪の先まで見紛うことなく女性そのものだ。 決して届かぬと知りながら、それでもなお憧れ望んだ姿をついに手に入れ……… 「………いや、」 待て、本当に自分は今の状態で完璧なのか? 何か決定的に外れているものがあるんじゃないか? 部屋の中を動き回る有菜の視線は、一枚の小さな布切れの上ではたと、静止した。 それは、ゆかりの下着だった。 今、自分が身につけているのは灰色のボクサーパンツ。 とてもじゃないが、女性が下半身に纏うような代物ではない。 真に完璧な女性の装いを目指すならば、下着も相応しいものに変えるべきではないのか? 「…………」 ここまでほとんど滞ることなく手を進めてきた有菜だったが、 この一点に来て初めて容易に拭い切れない躊躇が足を竦ませた。 (いや、流石に下着はちょっと……マズイっていうか…その…) 今更何をと思うかもしれないが、有菜にとってこれは越えることの憚られる一線。 これまでの段階で幾度となく一線を踏み越えてきたが、 これは最後に残った極めつけの一本だ。 これを越えたらもう、戻ることの叶わない決定的な変革が自分に訪れる気がする。 その“決定的”を求めて今まで奮闘してきたのだが、 いざ、その瞬間を目の前にしてみると今まで形も見当たらなかった未練が背中に圧し掛かり足元を掬う。 未練。 あれ程嫌っていた自分に、変化に対する未練があったのか…と、 自嘲とも安堵ともつかぬ感情が口元に苦笑を昇らせる。 鏡に目を向ける。見違えるほどに美しくなった自分の面貌に、 どことなく…普段の自分の面影が蘇ったように見える。 迷いが表情を曇らせ、美しさに影を刺しているのだ。 ―――これでいいのか? このまま決定的な変革を避け、片手落ちのままズルズルと普段の自分へと逆戻りしてしまっていいのか? ゆかりの下着を手にとって開き見る。ピンク色のレース地で出来たそれは驚くほど小さく どうしてこれに人間の腰部が入るのか不思議に思えるほどだ。 自分が履こうとしたらうっかり破いてしまうんじゃないか? そんなことになれば、自分がこのような倒錯的行為に耽溺していたという証拠を残してしまうことになる。 今ならまだ引き換えせる。服を脱いで洗濯機に掛けて、化粧を落とせばそれで終わり。 何もかもなかったことにして、いつも通りの日常に帰る事が出来るだろう。 いつも通りの、劣等感と自己嫌悪に満ちた負け犬の日々に。 ……何だ、 自分はそんなものに未練を感じていたのか。 全くもって取るに足らない馬鹿げた未練だ。 そんなもの、全部ぶち壊しになったところで一向に構わないじゃないか。 ロングスカートをたくし上げてボクサーパンツを脱ぎ下ろし、 有菜はゆかりの下着に両の足首を通した。 そのままゆっくりと、引き裂いたりしないようゆっくりと小さな布を持ち上げていく。 最も半径の大きい大腿筋をギリギリの所でくぐり抜け、ついぞ有菜の腰はゆかりの下着の内に収まった。 「………………………………ハ……」 心臓が一際大きく高鳴り、息が弾み出す。 今度こそ、一切の瑕疵なく有菜の肉体は完璧な女性の装いとなった。 股間を窮屈に締め付ける圧迫感とは裏腹に、心中にはこれまで味わったことのない開放感が溢れていた。 震える足を引きずり、有菜は姿見の前へ立つ。 ……少女が立っていた。 美しい、少女だった。 瞳は歓喜の涙で潤み、睫毛は震え、 肌は頬紅など必要ないほどに上気して桃色に染まっている。 まるで恋する乙女のようだと思った。 「………ハハ…」 形のよい唇から感嘆の吐息が零れ出る。 完璧だった。 完璧な形の美少女がそこにいた。 高須賀ゆかりにだって負けてはいない、稀有の美貌がそこにあった。 これが――――――これが自分なのか! 「ハハっ……ハハ、ハハハハハハハハハハハハ……」 激情でガクガクと震える膝を押さえつけるのにしばらく時間を要した。